【今更だけど】肌と化粧品の仕組みをわかりやすく解説!【後編・皮膚とは?】

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ゲル美

32歳で美意識が低すぎるが故に美容専門家を目指しているので(仮)。 某ゲームのように専門家になった瞬間(仮)が外れるかもしれないし外れないかもしれない。 クソゲーやレトロゲーム全般を愛するゲーマーでもある。美容薬学検定1級。

 

こんにちわ、ゲル美です。

フルーツサンドがめちゃくちゃ好きなのですが、最近のヒットは サンドイッチハウス メルヘンさん の ブルーベリー生クリーム です。
あの味には流石に、あの海原雄山もお腹を出して降参することでしょう。

 

それはとにかく、今回は前回に引き続き、肌と化粧品の仕組みをわかりやすさ重視で解説してみたいと思います。

 

前回までのあらすじ

丸顔族の戦士・ゲル美はごく普通の社会人だ。

ゲル美がいつものようにスキンケアをしている時のことだった……突如明かされる衝撃の事実!! 化粧品とは【効果の低い、毒にも薬にもならないもの】だったのだッ!

しかし、化粧品によって肌が変わることも、また事実……?!
ゲル美は『化粧品は効果が低いのに効果がある』という大いなる矛盾の秘密を握る【うるおい老人】という存在に気付く。

日暮里でようやく出会うことが出来た【うるおい老人】はゲル美に教える、『うるおいが何故重要なのか知るには、肌の仕組みを知ることだ』と。

ゲル美は肌の仕組みを解明するべく、再び立ち上がるーーーーーー。

 

※あらすじわかりにくいわ!! という方は、前回の記事をご覧くださいませ。

【今更だけど】肌と化粧品の仕組みをわかりやすく解説!【前編・化粧品とは?】

 

 

そんなわけで、さっそく肌の仕組みを解説してみます。

 

 

肌とは何か?

 

我々を隔てる薄い膜である肌とは、いくつもの層が重なり、乾燥や刺激から身体を守ってくれる儚くも強い防御壁です。

断面図にするとこんな感じです。

 

肌の一番表面には、皮脂膜という油分の膜があります。その下には、表皮と呼ばれる層の重なりがあり、更にその下には真皮と呼ばれる組織が存在します。

では、もう少し掘り下げて各層を見てみましょう!

 

表皮の仕組み

 

表皮は主に肌の保護・うるおいの維持という役割を担っています。
1つ1つ見てみましょう!

 

皮脂膜

 

表皮の一番上に皮脂膜があります。脂性肌の方にとっては憎き皮脂ですが、本来は肌を刺激と乾燥から守る為の立派な城壁です。

有名なスクワラン(スクワレン)が含まれているのもここですね。
素晴らしい天然のクリームが、いつもあなたを守っていますよ……。(暗黒微笑)

 

角質層

 

角質層は、【基本的に】化粧品が浸透出来る限界です(後述しますが例外も沢山あります)。
ここにはバリア機能】と呼ばれる仕組みが存在している為です。

★バリア機能とは?★
角質層は【角質細胞】と【細胞間脂質】というものがミルフィーユ状に重なって肌を刺激と乾燥から守ってくれているのですが、これをバリア機能】と呼びます。

 

角質細胞がレンガ細胞間脂質がセメント、という風によく例えられます。

 

細胞間脂質は水分を蓄えることでうるおいを保ち、角質細胞を繋ぎ合わせ、肌を乾燥から守ります。

ちなみに、細胞間脂質にはかの有名な【セラミド】が多く含まれています。

 

■バリア機能は非常に脆い■

バリア機能を支える角質細胞は非常にはがれやすく、乾燥クレンジングによる脱脂のやり過ぎ物理的な刺激等で剥がれてしまいます。短い間隔でピーリング等をした場合も同じです。

角質細胞が失われるとバリア機能は低下します。城壁が剥がれてしまうイメージですね。(ちなみに、老化でもバリア機能は低下します)

バリア機能が弱まるとどうなるか?というと、肌は水分を維持できなくなり、色々なものに刺激を感じるようになります。
薄い城壁では本来敵として弾かれるものが、どんどん入ってきてしまう為です。

所謂、【敏感肌】【乾燥肌】が出来てしまうのは、バリア機能が低下しているからだと言われています。(※ただし、肌の調子はすごく様々な要因で変化します。肌荒れや乾燥肌の原因を特定することは非常に難しいので、肌のお悩みはお医者さんに診てもらうのが一番です。)

お肌にうるおいが大切だと言われているのは、バリア機能を乾燥から守る為、というわけですね。

 

 

顆粒層

その次に、顆粒層です。
紫外線を跳ね返してくれたり、角質層と同じく外部の刺激から肌を守ったりする役割があります。

 

有棘層

次に、有棘層です。
ランゲルハンス細胞という免疫細胞が存在し、肌の内部に異物が入ってきた時にアレルギー反応を起こさせます。
素晴らしい防御機能ですね。

 

基底層

表皮の最後が基底層です。

基底層ではケラチノサイトという細胞が細胞分裂が行われていて、徐々に有棘層、顆粒層、角質層、という風に肌の表面へと移動していきます。
角質層にてケラチノサイトは核細胞を失い(要は死んで)、角質細胞となってバリア機能として働きます。

そして、更に基底層で作られ、押し上げられた新たなケラチノサイトによって、角質細胞は自然と剥がれ落ちていきます。

この一連の流れが、あの有名な【ターンオーバー】という現象です。

基底層が表皮の一番奥で、ここから下は真皮と呼ばれる部分になります。

 

真皮

 

表皮の更に奥には、真皮と呼ばれる組織があります。

表皮の役割が【うるおいの維持・保護】だとすると、真皮の役割は【ハリ・弾力の維持】であるといえます。

 

真皮では

  • 家屋の骨組みのように肌組織の形を維持するコラーゲン
  • 肌の保湿を行うヒアルロン酸
  • 弾力を司るエラスチン

 

という成分が含まれています。これらは真皮に存在する繊維芽細胞という細胞により生成されます。

 

コラーゲンやヒアルロン酸等の真皮に存在する成分は年齢とともに減少します。年を重ねるにつれて肌がたるみ、ハリが失われるのはこの為です。

また、紫外線を浴びることで線維芽細胞や真皮内に存在するコラーゲン等を破壊され、たるみやシワの原因となります。

つまり、一番の老化対策は紫外線対策と言えるわけですね。

 

肌のハリ・弾力維持を取り戻すにはコラーゲン・ヒアルロン酸入りの化粧品がいいのね! というのは間違い?

 

真皮に存在するコラーゲンやヒアルロン酸は、確かに肌の弾力・ハリを維持しています。

でも、例えばコラーゲンを肌の表面に塗って、弾力やハリが出るか?というと、それは少し複雑な話になります。

肌の仕組みを思い出して下さい。化粧品は【基本的に】表皮の中の角質層までしか浸透出来ません。【基本的に】はです。

 

つまり、【いくらコラーゲンやヒアルロン酸を肌の表面に散布しても、コラーゲンやヒアルロン酸が活躍している真皮には届かない】というのが定説です。

ただ、最近では某大手メーカーさんが真皮まで浸透出来るものが開発されています。
効果の訴求が何処まで出来るかはさておき、実質化粧品でも浸透出来るものもあるようです。

また、イオン導入(エレクトロポレーション)等の技術を使えば、コラーゲンやヒアルロン酸を真皮まで届けることは可能です。
他の美容成分にしても、イオン導入等の技術で角質層よりも奥に届けることは可能です。

 

え、じゃあコラーゲン鍋とかどうなるの?

 

では直接体内に取り込む方法、食べるとどうなるのか?というと、それもまた肌に直結するわけではない、というのが定説です。

というのも、コラーゲンやヒアルロン酸を食べた場合、体内でアミノ酸に分解されてしまいます。

つまり、コラーゲンがそのまま肌に直接届くことはありません。

ただ、最近は継続して食べ続けることで効果はある! とする説もあるので、今後の研究結果に期待大ですね。

 

 

まとめ

 

表皮・真皮とざっくり解説いたしましたが、いかがでしたか。
少しでも肌と化粧品に関して理解が深まっていたら嬉しいです。

世の中本当に色んな美容法やアイテムが存在していて、錬金術の【硫黄と水銀によって賢者の石が出来る】なんてものにも似てるなぁと日々思います。

そういえば、昔ある女性が若い処女のメイドを殺した時に血が手にかかって、そこがやけに綺麗に見えたから、処女の血を効率的に搾り取るべくアイアンメイデンという拷問器具を作った、なんて伝説もあります。

これはあくまで伝説ですが、こういう『処女の生き血』に似た眉唾物の美容法や化粧品は、現在も至る所で見かけます。

でも、そんな美容法や、魔法のような効果を謳う化粧品を見た時は、一瞬だけ立ち止まって、冷静に考えてみて下さい。

 

  • 基本的に【化粧品】は【角質層】までしか浸透せず、しかも毒にも薬にもならないこと。(余程粗末なものでない限り、どのような価格帯であっても同じです)
  • 肌はバリア機能によって守られていて、これを破壊する行為は敏感肌や乾燥肌の元になること。

 

最低でもこれさえ知っていれば、大体のおかしな美容法や化粧品は、【何かおかしくないか?】ということに気付けると思います。

正しい知識で、あなたなりの美肌を追求できることを私は願っています。

 

本当はもっと、美白化粧品やオーガニックに関しても書きたいことがあったのですが、いかんせん長くなってしまいそうだったので、別の機会にまとめたいと思いますね。

 

 

では、今回は非常に長くなってしまいましたが、ここまでお目通し有難う御座います!

次回の記事もこうご期待下さい。

 

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32歳で美意識が低すぎるが故に美容専門家を目指しているので(仮)。 某ゲームのように専門家になった瞬間(仮)が外れるかもしれないし外れないかもしれない。 クソゲーやレトロゲーム全般を愛するゲーマーでもある。美容薬学検定1級。